『リンゴ畑のマーティン・ピピン』を読む(西洋の児童文学を読むC、2022/6/23)

福西です。

『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)、第4話「オープン・ウィンキンズ」を読んでいます。

下巻p33-42を読みました。

今度はヘリオットを探しに、アンブローズが旅立ちます。

そしてヘリオットの誕生日。ホブは美しいクジャクでいっぱいの小屋を見つけます。そのクジャクの群についてくと、ヘリオットがいました。彼はやせこけ、優雅さがなくなっています。

ヘリオットも、ホブがくるのを見ると、頭をたれ、恥じて、納屋のなかへ退こうとした。

けれどもホブは急いでヘリオットを抱きしめます。ヘリオットは、何も聞かないでくれと懇願します。ホブは聞くことをあきらめ、ヘリオットを家に連れて帰ります。

この年の六月は、ホブにはさびしいものだった。いちばん上の弟は家にはいず、あとの三人は、かれらに何の喜びももたらさない、ふしぎな持ち物のそばで時をすごすのだった。

ホブは、アンブローズを探しに行こうか迷います。ですが、これまで弟たちがその誕生日に戻ってきたことを考えて待ちます。

案の定、アンブローズの誕生日に、彼が見つかりました。けれども彼は、自分の名前さえ分からなくなっていたのでした。

ホブは、四人の弟たちを襲った不幸の原因を突き止めるために、旅に出ます。

泥の男に会い、ハルカナムコウ(High and Over)へ行けと指示されます。

ハルカナムコウでは、四つの風が、東西南北からホブに吹きつけます。

「おまえがほしいと望むものは、何だ?」

「おまえの心からの望みは、何だ?」

「人生が、おまえにあたえなかったものは、何だ?」

「おまえが、自身をすてても、ほしいものは、何だ?」

ホブは意識が朦朧とする中、金色のバラを咲かせることを願ってしまいます。

すると、四つの声は、声を合わせてこう言います。

「オープン・ウィンキンズ! オープン・ウィンキンズ! オープン・ウィンキンズ! オープン・ウィンキンズ!」

と。こうして、ホブは気を失います。