『リンゴ畑のマーティン・ピピン』を読む(西洋の児童文学を読むC、2022/6/16)

福西です。

『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)、第4話「オープン・ウィンキンズ」を読んでいます。

読んだ個所は、下巻p22-32です。

ライオネルの誕生日の一か月前に、ライオネルがいなくなります。

4人の兄は心配し、一番下の兄のヒューが探しに行くことになります。

ヒューは道中、風に帽子を飛ばされます。帽子が泥の池に落ちると、泥の男(muddy man)が出てきます。ヒューは、弟がここを通らなかったかと詰問します。泥の男はヒューの横柄な態度に怒りつつも、風のすみかである「ハルカナムコウ」(High and Over)を探せ、とだけ告げて、泥の中に消えます。

それから、ヒューが行方不明になります。

それと行き違いに、ライオネルがひょっこり領地に戻ってきます。その日は彼の誕生日でした。

ライオネルは、まるで別人のようになっていました。

以前のような幸福そうな表情はなくなり、憂鬱になっていました。

そして、どこから手に入れたのか、ミニチュアの農場を持ち、それでむなしく遊んでいるのでした。何があったのかは、話してくれないのでした。

 

次に、ヘリオットが、「もうがまんならない」と、ヒューを探しに行きます。

けれどもヒューの誕生日に、ヒューが見つかります。それと入れ違いに、ヘリオットが行方不明になります。

ヒューもまた人が変わったようになっていました。勇敢さは消え、小さな物音にもびくびくするようになっていました。

ホブとアンブローズは、ヒューに「ヘリオットと会わなかったか」と尋ねます。けれどもヒューは「会わなかった」と言うだけで、後の質問には一切口を閉ざします。

一方、領地の峰には、赤と白のライオンが鎖につながれていたのでした。ヒューはその吠え声が聞こえると、野兎のように、隅に隠れるのでした。