エピクロスあれこれ

山下です。
エピクロスは快楽主義を唱えた人と記されています。

快楽を追求した人です。

エピキュリアンはこの人物名に由来する言葉です。

問題は何をもって快楽と定義するか、です。

こういうとき、ネットで情報をあれこれ検索してもあまりおもしくはありません。

お勧めは次の本を読むことです。

エピクロス―教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1) 文庫 – 1959/4/1
エピクロス (著), 出 隆 (翻訳), 岩崎 允胤 (翻訳)

ローマでエピクロス哲学を詩によって紹介したのがルクレティウスです。

「事物の本性について」も岩波文庫で読めますが、いきなり買って読んでも眠くなる恐れがあります(岩波文庫だとタイトルは「物の本質について」となっています)。

物の本質について (岩波文庫 青 605-1) 文庫 – 1961/8/25
ルクレーティウス (著), 樋口 勝彦 (翻訳)

この作品のポイントを見事に紹介した本として、次の著書を紹介します。

ルクレティウス 『事物の本性について』――愉しや、嵐の海に (書物誕生 あたらしい古典入門) 単行本 – 2020/8/5
小池 澄夫 (著), 瀬口 昌久 (著)

ルクレティウスの作品はエピクロス哲学の紹介にとどまらない、という立場で書かれています。

また、後世への影響について淡々と紹介してあるのですが、ジャンルを問わず、これほど大きな影響を西洋社会に与えたのか、と知るだけでも有益でしょう。

この本を通読してから「物の本質について」に挑戦すると通読も可能だと思います。

第5巻後半の文明の発展史、第6巻エピローグのアテナイの疫病の記述は、必読箇所です。

個人的にはウェルギリウスに与えた影響に関心があり、ウェルギリウスはルクレティウスの表現の本歌取りを随所で行っています。