浅野です。
Kさんはいろいろなことが噛み合ってきているようです。
前回はベクトルの範囲で3元連立1次方程式(未知数が3つの方程式)が登場し、代入法なら必ず解けると伝えたところでしたが、今回は円と方程式の範囲で3元連立1次方程式が登場しました。Kさんは先週の教訓を生かしてしっかり解いてくれました。また、円の方程式の一般形(x^2+y^2+ax+by+c=0(a, b, cは定数))から中心や半径がわかる形((x-p)^2+(y-q)^2=r^2(中心の座標が(p, q)、半径がr))に変形するときは、2次関数のグラフのときと同じように平方完成をします。
時間の終わりに「同じことの繰り返しやんなぁ」と私がつぶやくと、Kさんは首を縦に振ってくれたので、同じような感想を持ってくれていることと思います。
Cさんは対数の範囲も大詰めで、また難しい質問をしてくれました。「log2の3は無理数であることを証明せよ」というシンプルな問題で、模範解答としてはlog2の3を有理数であると仮定して矛盾を導くわけですが、例によって自分のやり方のどこがまずいかを指摘してくれとの質問です。そのCさんのやり方とは、まず底の変換公式でlog2の3をlog10の2/log10の3とし、0<log10の2<1かつ0<log10の3<1なので、log10の2/log10の3は有理数ではないというものでした。このやり方の最後に論理の飛躍があります。例えば0.2/0.4は0<0.2<1かつ0<0.4<1ですが、きれいな形に直すと1/2という有理数になります。そう説明すると大いに納得してくれました。
学校や大人数の場ではなかなかそういった疑問は聞けませんが、ここでは聞くことができます。そしてやみくもに暗記をするよりも、そうしたやり取りをするほうがおもしろいくかつ記憶にも残ります。
それぞれの生徒さんとのやりとりを拝読し、二人とも数学が好きになってきたのだろうなという感想を持ちました。
数学が好きになるためには、「自分のやりかた」でよいはずという自信が必要で、その自信を深めるには、黒板の答えを写すだけでは論外で、まずは自分で問題を解かないといけませんが、得てして高校時代だと、先生の解法と自分のそれとが異なる場合がほとんどです。
したがって、答えがあっていても、何か間違っているのではないか?とか、あれこれ疑心暗鬼になるものです。
また、Cさんのように、いいところまで追い詰めていても、結果として正解にたどりつけない段階で、あきらめる人が多いようです。
そのあと一押しをするには、やはりこのクラスのように、丁寧に答案を見てもらうことが一番ですね。