浅野です。
Kさんは数学の何かをつかんでくれたように感じます。
今回はベクトルを中心にしましたが、ベクトルの本質は始点(スタート)と終点(ゴール)です。言い方をかえると長さと向きです。ですので、ABベクトル=ACベクトル+CDベクトル+DEベクトル+EBベクトルのように経由点をどれだけ増やしても結論は同じです。Kさんはそれをわかっています。
ベクトルを(4,-1, 3)のように成分表示をされると混乱する人も多いかもしれません。しかし、これも始点が原点(0, 0, 0)で終点が(4, -1, 3)のベクトルだと考えるとイメージが湧きます。「2点A(4, -1, 3)、B(-2, 2, 5)について、ABベクトルを求めよ」と言われても、ABベクトル=AOベクトル+OBベクトル=-OAベクトル+OBベクトルと考えれば(-6, 3, 2)だとわかります。
また、ベクトルの計算から文字を3つ用いた連立方程式が出てきました。式が3つあったのでかならず解けるはずですが、どうすればよいか困っている様子でした。加減法で解こうとしていたからです。そこで連立方程式を解くときのもう一つの方法(つまり代入法)で解くといいよと助言すると、きっちりと解いてくれました。このような言い方ですぐに通じるのも、これまでに連立方程式の練習をしっかりとしてきてくれたからです。
Cさんもベクトルです。ある図形で指定されたベクトルを、別の2つの指定されたベクトルで表そうとする問題で、解答を読んだらわかるけれどもそれは思いつかないという感想を言ってくれました。そうした発想は非常によいです。今回は難しそうでしたが、より一般的な解法で解けることもしばしばあります。こうしたことを考えるときに数学的な思考が磨かれます。
>Kさんは数学の何かをつかんでくれたように感じます。
教師冥利に尽きますね。先生の喜びが行間に滲んで見えました。
>解答を読んだらわかるけれどもそれは思いつかないという感想を言ってくれました。
Cさんらしいコメントですね(以前にも似たような感想がありました)。よいたとえか分かりませんが、赤本なんかで示される英作文の解答例も「思いつかない」例ではないでしょうか。自分の解答に自信をもちたい、という強い気持ちをCさんのコメントから感じます。そのあせりも。その気持ちを大事にして、どんどん問題にチャレンジしていくのがよいと思います。あきらめずにもがいているうちに光が差すでしょう。さいわいにして、浅野先生にほぼマンツーマンで見ていただけるわけですから、解答例と違うルートで登頂を試み、あえなく挫折した場合でも、そのルートを一緒にたどることで、先生に「ここをこうしていたら、この道でも山頂にたどりつけたわけです」と指導していただけるでしょう。それは解答例ではない、自分の答えを発見できることであり、大きな自信になります。できても、できなくても、自分のやり方で突き進んでほしいと思います。そして、できない場合でも、できればすぐに解答をみず、うんうんうなり続けてほしいです。一週間うなりつづけて、浅野先生にその問題をみてもらったら、わかったときの感動は、天にも昇る気持ちになること請け合いです。