福西です。
(その1)の続きです。
さて、ガブリエルは、一年後にまた神様に命じられて、人間たちの様子を見に来ます。
長男は、酒をもとでに地域を繫栄させ、大金持ちになっていました。そこへガブリエルがまた乞食の姿でやって来ます。けれども、
「ねだるやつらにいちいちのませていたら、いったいわたしのくらしがたつと思うのかね?」
と、すげなく断ります。
次男は、牛をもとでにバター工場などを切り盛りし、大いにさかえていました。以下同文です。
ガブリエルが十字を切ると、二人の持ち物はすべてなくなってしまいました。
最後に、ガブリエルは三男のところへいきました。
三男とミリツァは、森の中で貧乏暮らしをしていました。
二人はガブリエルを歓迎し、木の皮を粉にひいたパンと、水を差し出します。
するとパンは上等なパンに、水はブドウ酒になりました。
ガブリエルが去ると、家は「すべてのものがそろっている屋敷」に変わりました。
天国に戻ったガブリエルは、神様にこう言ったそうです。
「人によっては、はたからあれこれ手出しをしないほうがいいこともございますよ」
と。
「お金持ちになってもまだ心がきれいなら、もっといいのになあ」というのが、受講生の感想でした。