『海の王国を読む』を読む(ことば2~3年、2022/5/25)(その2)

福西です。

(その1)の続きです。

さて、ガブリエルは、一年後にまた神様に命じられて、人間たちの様子を見に来ます。

長男は、酒をもとでに地域を繫栄させ、大金持ちになっていました。そこへガブリエルがまた乞食の姿でやって来ます。けれども、

「ねだるやつらにいちいちのませていたら、いったいわたしのくらしがたつと思うのかね?」

と、すげなく断ります。

次男は、牛をもとでにバター工場などを切り盛りし、大いにさかえていました。以下同文です。

ガブリエルが十字を切ると、二人の持ち物はすべてなくなってしまいました。

 

最後に、ガブリエルは三男のところへいきました。

三男とミリツァは、森の中で貧乏暮らしをしていました。

二人はガブリエルを歓迎し、木の皮を粉にひいたパンと、水を差し出します。

するとパンは上等なパンに、水はブドウ酒になりました。

ガブリエルが去ると、家は「すべてのものがそろっている屋敷」に変わりました。

天国に戻ったガブリエルは、神様にこう言ったそうです。

「人によっては、はたからあれこれ手出しをしないほうがいいこともございますよ」

と。

「お金持ちになってもまだ心がきれいなら、もっといいのになあ」というのが、受講生の感想でした。