かず5・6年(2022/6/26・鳩の巣原理)

入角です。昨日の授業では、以下のような問題を考えました。

「ここに9人の生徒がいるとする。すると、血液型(A・B・O・AB)と利き手(左・右)とがまったく同じペアが必ず存在する。(これは算数の問題なので、珍しい血液型や両利きなどの可能性は考慮しないものとします)」

このことは次のように説明できます。血液型と利き手の組み合わせは4×2=8種類です。生徒の数は9人です。すると、複数の生徒たちが属する種類が必ず存在することになります。

議論の組み立て方からわかるとおり、「血液型」や「利き手」といった情報はこの問題の本質ではありません。(実際、「右利き/左利き」を「眼鏡をかけている/かけていない」にしても同じことです。)算数の文章問題では、字面に惑わされずに本質を見抜く力が大切です。

ちなみに、今回の解法で使った考え方は「鳩の巣原理」と呼ばれています。これは、「巣より鳩の数が多ければ、複数の鳩が入っている巣が必ず存在する」、という原理のことです。

鳩の巣原理は至るところで使われています(図形問題にも応用されます)。例えば、京都市には髪の毛の本数がまったく同じ人同士のペアが必ず存在します。このようなことを、実際に大規模な調査をすることなく、肘掛け椅子の上で証明できてしまうのが面白いですね。