福西です。
『海の王国』(ジョーン・エイキン、猪熊葉子訳、岩波書店)を読んでいます。
「6 動物たちと戦った王さま」を読みました。
森の中にあれはてた城があり、持ち主の若者が住んでいました。若者は貧乏でしたが、動物に気前よく親切にするので、動物から好かれていました。
その若者にほれ込んで、キツネが家来になります。そのあと、キツネの勧めで、クマ、タカ、山ネコが仲間になります。
あるとき、キツネが提案しました。
「若者に、素敵なお嫁さんを用意しよう」と。
そこで、タカたちと相談し、よそのお城から姫をさらってきます。
姫の父である王様は、怒ります。賢い占い師を呼んで、娘の居場所を探させます。占い師は、空飛ぶじゅうたんを使って、姫を取り返します。王様は二度とさらわれないように、姫を塔にとじこめます。
けれども、キツネたちがまた作戦を考え、姫は塔から連れ出します。
これに怒った王様は、軍隊を率いて、若者の城に押し寄せます。
一方、「いざかまくら」とばかりに、森じゅうの動物たちも集まります。
クマ 100
ネコ 800
ネズミ 8000
モグラ 3000
タカ 200~300
こんな具合です。
モグラが落とし穴を掘って、大砲を頓挫させるところが、「なるほど」と思いました。
戦争は、キツネの作戦と、動物たちの奮闘により、王様の「降参」となります。
このお話の味わいは、若者がいっさい何もしていないのに、話がどんどん進むところです。また、キツネの役回りが、「長靴をはいた猫」に似ているなと思いました。