『海の王国を読む』を読む(ことば2~3年、2022/4/20)(その2)

福西です。

(その1)の続きです。

以下、「4太陽の神さまの城」のまとめです。

登場人物は次の通りです。

ダジボーク……太陽の神

 おじいさん……ダジボークの宮司

  マルティン……おじいさんの孫、長男

   ミハル……おじいさんの孫、次男

    ヤネック……おじいさんの孫、三男

    ゴブリン(三男)……ヤネックにとりつく

   ゴブリン(次男)……ミハルにとりつく

  ゴブリン(長男)……マルティンにとりつく

ゴブリンの王

それぞれの最後の居場所は、次の通りです。

1)ダジボーク、おじいさん→太陽の神の城(天上)

2)ヤネック→太陽の神の城の入口。おじさんの助けで、中に入れる

3)マルティン、ミハル→地上(天上に行けず、引き返す)

4)ゴブリン(三男)→どろの中、ただしヤネックを助けた罰で

ゴブリン(長男、次男)→どろの中

5)ゴブリンの王→地の底

このお話には、天上から地底までの階層があることが分かります。

人間の側には、

1)最後まで清い(おじいさん)

2)清いが、助けがいる(ヤネック)

3)改心したが、天井には行けなかった(マルティンとミハル)

という違いがあり、とくに2)と3)の違いの峻厳さが、印象に残りました。

このお話の良さは、こうした「違い」にあります。

ゴブリンもまた、判で押したような悪ではなく、人間同様、個々の「違い」を持っています。

1’)人間と同じ行動をした(三男のゴブリン)

2’)三男のために行動した(長男と次男のゴブリン)

3’)最後まで暴君(ゴブリンの王)

一番力の強い存在は、ゴブリンの王です。しかしどんなにえらそうにしても、それは地底においてということにすぎません。

地底のてっぺんは、天上から一番遠い場所なのだ、ということを思わずにはいられません。