0604数学高校

浅野です。

Kさんはベクトルの範囲の試験を翌日に控えていたので、その範囲のおさらいをしました。加法・減法や展開などは普通の数字と同じようにしてもよいのだと気づいてくれました。もちろん一度は数学的な証明をする必要がありますが。ただし、内積は掛け算のように見えても角度という要素が入り込むのが普通の数字の計算とは異なります。このあたりの質問を受けました。加えて内積の計算ではルートの計算が頻発します。それを苦もなくできるようになれば数学が全般的に楽になります。

Sさんは自分で解説を読んでもわからないところを全てメモしてきて、一つずつ聞いてくれました。その取り組み方は非常によいです。この場をうまく活用してくれています。その質問の大部分は式変形の計算に関するものでした。

特に解説をする必要性を感じたのは絶対値の不等式の解き方です。例えば|x|<2といったものです。突然この式を見ると戸惑います。それでも落ち着いて、絶対値といえば中身が正の場合と負の場合とに分ければよいのだと思い返してください。そうすると、x≧0のときは絶対値がそのままはずれ、x<2という式になるので、条件と合わせて0≦x<2、x<0のときはマイナスをかけて絶対値をはずすので-x<2, つまりx>-2となり、条件と合わせると-2<x<0となります。最終的な答えはこの2つの場合を総合して、-2<x<2です。イメージ的には、ある数の絶対値が2より小さいということは、数直線上の原点に立ち、長さが2の鎖で犬をつないだときにその犬が動ける範囲ということです。また別の考え方では、y=|x|のグラフ(y=xのグラフのy座標が負の部分をx軸で折り返したグラフ)をかき、そのグラフで2より小さいところを探すという方法もあります。