山びこ通信2021年度号(2022年2月発行)より下記の記事を転載致します。
『高校英語2』、『高校数学2』、『英語講読』C 、山の学校ゼミ 『調査研究』
担当 浅野直樹
どのクラスにも共通して言えることとして、授業内容そのものよりも、その周辺で交わされる何気ない会話が強く印象に残るように感じています。
「高校英語2」クラスでは、本文中の空所を補充する大学入試の過去問を解いているときに、受講生が「現代文と同じように選択肢を見る前に自分の中で候補を出しておいたほうがよいのではないか」と言い出しました。おそらくこの問題についての私とのやり取りに触発されてこの発言が引き出されたのでしょう。選択肢を見る前に候補を出しておくという方針に強く賛成すると伝えました。
「高校数学2」クラスでも、三角関数の後半でたくさん登場する公式は全部加法定理をもとにしている、ベクトルの引き算は逆向きにして足し算にして別の地点を経由して目的地に向かうのだと考えるとわかりやすい、データを中央値で2つに分けたときの前半の中央値が第一四分位であり後半の中央値が第三四分位だ(中央値は言ってみれば第二四分位だ)、といったやり取りをしたことを覚えています。
「英語講読C」クラスでは、英語の本文の解釈もさることながら、「これは日本に当てはめると○○みたいなものだ」といったコメントが理解に資することができたのではないかと感じております。
調査研究クラスは、昨年度末に発表を終えて一からの次の着想を探り始めたので、授業時間全体が周辺的な会話のようにも感じられました。幅広くアイデアを出し合って、これがおもしろそうじゃないか、こう考えると行き詰まってしまう、などと話し合いました。
本はもちろん、インターネット上にもたくさんの有用なコンテンツがありますが、特定の題材をもとにして自由に語り合える場は意外と少ないのかもしれません。山の学校はそのような場であると私は考えています。