福西です。
『トムは真夜中の庭で』(フィリパ・ピアス、高杉一郎訳、岩波書店)を読んでいます。
16「木のなかの家」を読みました。
ハティは、トムがびっくりするほど木のなかの家のことに夢中になっていた。(…)この木のなかの家はハティのじぶんの家、じぶんの家族だった。
小さなころに家族をなくしたハティは、いじらしいほど、木のなかの家(ツリーハウス)づくりに熱を上げます。トムはその様子を弟のピーターに手紙で知らせます。ツリーハウス作りは、ピーターがもしはしかにかからなければ、トムが夏休みにしようと思っていた計画でした。ピーターもうらやましくなり、トムの所へ行きたいと望みます。
家はもうできあがっていた。しかし、ハティにはまだ大きな望みがあった。
ハティは、穴を「窓のつもり」と思うのではなく、本物のガラスの窓を取り付けたがります。
ハティはいつまでたっても窓をつくる仕事をやめようとはしなかった。
この熱心さがあだとなり、ハティは無理をします。折れそうな枝に足をかけてしまったのです。
ハティの「おお!」という小さなさけび声がきこえた。そのさけび声は、一秒とたたないうちに、ついらくしていくハティの金切り声にかわった。
アベルが飛んできて、木から落ちたハティを屋敷へ運びます。ハティのことが心配でならないトムは、自分も屋敷に入れてほしいとアベルに懇願します。しかしアベルは、トムの姿が見えていないふりをすることはもはやせず、「悪魔め!」と追い払います。
トムは玄関を叩き続け、泣き続けます。
受講生の要約です。
S.C君
ピーターはトムのところへいきたいと思う。トムはハティと共に庭園の木の中に家をつくっていた。その家をハティは気にいっていた。ハティは作業中に乗っていた枝がおれて落ちてしまう。そこにきたアベルはハティをかかえ、トムにどなる。
H.Aさん
トムの母は、帰らぬトムを案じ、トムの元へ行きたい様子のピーターにやきもきする。
ハティはツリーハウス作りに夢中だったが、ある日、落ちて倒れる。駆けつけたアベルは、トムを直視し、「失せろ」と言う。トムはアベルに自分の姿が見えていたことを知る。アベルは、ハティの安否を尋ねるトムには耳をかさず、彼をしめ出す。