『ぬすまれた夢』を読む(ことば2年、2022/1/26)

福西です。

『ぬすまれた夢』(ジョーン・エイキン、井辻朱美訳、くもん出版)を読んでいます。

「6 探しもの──足をひと組」を読みました。

カルという少年が、うぬぼれと傲慢が昂じて、チョウをいじめます。

すると「つばさのあるものの女王」が現れて、問いただします。

カルは「ただのつまんないチョウじゃないか」と抗弁します。

女王はカルに罰を与えます。カルの片足(カルにとっての羽)が、体を見捨ててどこかへ行ってしまいます。

「ぼくの足をとる権利があるのか! こんなの不公平だ!」

とカルは訴えます。しかし女王は、

「おまえがわたしのチョウにしたことも、公平ではないでしょう」

と答えます。カルはなおも非を認めず、「きたない魔女」と女王をののしります。

すると、もう片方の足まで、カルを見捨ててどこかへ行ってしまいます。

カルは仕方なく、広告を出し、足を探します。けれども見つかるのは、別の足ばかり。

「チョウを助けること」がない限り、カルの受けた罰は解けないのでした。

この事件があってから、カルは別人のようになります。

ある時、罰を解く方法を知らないカルは、無意識のうちに、プールでおぼれているチョウを助けます。

するとカルの体が浮き上がり、飛んでいった先には、カルの両足が待っていたのでした。

 

前回読んだ「さけぶ髪の毛」では、無意識におかした罪を意識的につぐなうお話でした。今回はその逆で、意識的におかした罪を無意識につぐなうという話でした。