2022-02-23 文学部で学んだこと―100年先の世界のために

山下です。

過去の巻頭文を読み返しました。

「私は英文科四回生の秋、思い切って西洋古典文学に専攻を変える決意をした。岡道男先生(当時の主任教授)のおられた研究室は、今はなき煉瓦造りの旧館二階にあった。専攻変更のお願いをするため、おそるおそる先生の部屋の扉をノックすると、万巻の書物がそびえ立つように見えた。先生は私の志願理由を頷 きながらお聞きになり、ご自身も独文出身であると打ち明けられた。私がラテン語もギリシア語も4時間コースを履修していないことを察知されると、「語学は慣れです」と口にされ、先生の実践されたラテン語、ギリシア語習得法――先生はこれらの言語を学部の一、二回生の頃に習得された――を次のように語って下 さった。まず、春休みの全期間、その言語の習得のことだけを考えて集中的に独学する。その際、文字通り寝食を忘れて取り組むこと。次に、新学期から開講される西洋古典の演習に出席し、辞書を引いて原文を読む訓練を続けること。」

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