現代ギリシア語クラスを担当しております、新米非常勤講師の福田耕佑です。
ついに、現代ギリシア語・文語(カサレヴサ)の文法と講読クラスが開講しました!一部の大学やカルチャー・スクールでは現代ギリシア語(口語)のクラスがあるにはありますが、古典語からも現代語の口語からもも独立させて文語を専門に取り上げて学び講読していくクラスというのは、かなり珍しいのではないかと思っています。そういうわけで、記録を取る価値もあるのではないかと思い、文語の授業についてこれからも不定期に色々書いていこうと思います。
授業では、正教の神学者でアテネ大学で教鞭を執ったフリストス・アンドゥルツォスの『東方正教の教理』(1907)というキリスト教の神学書を受講者の方と相談の上で選びました。中世ビザンツ時代より、まさにギリシア正教の神学者たちが古典ギリシア語を書き継いできたのですが、この伝統の例に漏れず、アンドゥルツォスのギリシア語も日常の話し言葉からはかけ離れた、かなり古典語に近いギリシア語です。しかも、肌感覚的にはこの時代の他のカサレヴサで執筆した人々のギリシア語よりも尚更古典語に近いように思います。多くの場合、口語の知識があれば知識を補足しつつ文語も読んでいけるものですが、今回の『東方正教の教理』は古典語の知識が必要になるなぁというのが私見です。もちろん、適宜全て解説していきます。
本授業で、ギリシア古典世界とキリスト教がハイブリッドしたギリシア語を堪能してみませんか??
つづく