『王への手紙』を読む(西洋の児童文学を読むA、2022/1/27,2/3)

福西です。

『王への手紙』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。

「マヌケ」と呼ばれる人物が登場しました。先を急ぐティウリは、おしゃべりしたくて着いてくるマヌケのことを迷惑に感じ、はじめは体よくあしらおうとします。しかしマヌケの真心のこもった親切(食料をもらう)に心を打たれ、感謝します。またマヌケの森に対する深い知恵にも気付き、少しの間で友達のようになり、「帰ってきたら西の国の話をする」と約束します。

マヌケのつぎの言葉が印象的です。

おいらは、ぜったい急がない。木だって、大きくなるとき、急がない。

まるで、騎士になる点で遠回りしたティウリの成長を予言しているかのようです。

 

受講生の要約です。

2章 2 森の小屋のマヌケ

Y.Y君

ティウリは朝はやいころにおきた。まだまっくらで一つの星がみえた。そして日がのぼりだしたころ、赤い騎兵たちがウナーヴェン王国にむかっていくのがみえた。しばらく進むと森のこやのマヌケという人に会う。ティウリはかえってきたらすべて話すとやくそくし、マヌケに食料をもらう。

S.K君

ティウリは、道中「森の小屋のマヌケ」に出会う。マヌケは、ティウリに食べ物をあげる。マヌケは、ティウリに会ったことを秘密にすると約束する。

H.F.さん

ティウリはねむっていたがとつぜん目を覚ます。上を見たティウリは一つの星が目に入った。希望の光を放っている星は、ティウリに勇気をとりもどさせてくれた。ティウリはふたたびねむり、目を覚ますと、朝食で元気をつけ、大かい道のそばに出た。ティウリはかい道は行かず、昨日と同じように森をとおった。そのと中、「森の小屋のマヌケ」とよばれる男に出会う。

ティウリは、ティウリにあったこと全てをマヌケにしゃべることを約束する。マヌケは、だれも知らない森のことをたくさん知っている。そして、ティウリに食べものを分ける。そして、森のことをティウリに教える。ティウリはお礼を言い、マヌケと別れる。ティウリはマヌケに言われたとおりにまっすぐ進み、休む所を見つけると、そこで夜をあかすことにした。

Hさんが、気づいたこととして、「マヌケとティウリの会話では、「?」が多い」と指摘してくれました。

その通りだと思います。また、Hさんは「ティウリはマヌケとした約束のことを覚えているのか」が気になると言いました。

ティウリが、一つの大きな約束(手紙を届けること)のために、他の約束を犠牲にするような人物なのか、どうか。

それは下巻で明かされます。楽しみに読みたいと思います。