キケローは『老年について』(De Senectute)の中でサビーニー地方の農夫を引き合いに出し、「この人たちは、自分にはまったく関係のないことが分かっていることにせっせと励んでいる」(idem in eis elaborant quae sciunt nihil ad se omnino pertinere)と言います。
続けて、「次の世代に役立つようにと木を植える」(Serit arbores, quae alteri saeclo prosint)というスターティウスの詩句を引用し、農夫は「誰のために植えるのか」と問われるなら、
Dis immortalibus, qui me non accipere modo haec a maioribus voluerunt, sed etiam posteris prodere.
不死なる神々のために。神々は、私がこれを先祖から受け継ぐのみならず、後の世に送り渡すようにとも望まれた。
と迷わず答えるだろう、と述べています。
教育もしかり、研究もしかり、と強く感じる次第です。
解釈は、それぞれのお立場でご自由にどうぞ。