福西です。
『びりっかすの神さま』(岡田淳、偕成社)を読んでいます。
「9 なかまたち」「10 かわいそうな先生」を読みました。
正紀も、びりっかすを見る仲間に入りたがりました。しかしどうしても、0点を取ることに抵抗があると言います。正紀は泣きそうです。
──0点をとれなかったひとをかわいそうって思ったの、これがはじめてよ。
そこで始たち五人は、びりを取るために0点を取る必要がないことに気付きます。
つまり、その時のクラスの最低点がA君の3点なら、3点を取ればいいのです。しかも、A君を仲間に取り込むことができます。
これまでの始は、クラスの最低点より1点下を取っていました。それで、いつまでも仲間が増えなかったのです。
「同点作戦」がうまくいき、晴れて、六人目の仲間に正紀が加わります。
こうしてびりっかすを見ることのできる仲間は、どんどん増えていきました。
最低点が3点から4点、5点と上がっていきます。
これが、この物語のどんでん返しです。やがて、びりが最高点になるのです。
一方、クラスの様子が変化していることに、市田先生は不安になります。始たちが心の中のおしゃべりで意思疎通し合うときに、先生は「びくっ」とします。
──ねえ、先生、ちょっとかわいそうじゃない?
そう言ったのは、みゆきでした。
そこで、始たちは考えた末、クラス全員が仲間になったとき、先生にも打ち明けることを決めます。
それはもう、目のまえにせまっているはずだった。というのは、その日の漢字のテストで、最低点の8点を、三十二人がとっていた。なかまでないのは、あと四人だけだったのだから。
いよいよ物語も終盤です。