福西です。
『王への手紙』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。
受講生の要約です。
7 逃亡
S.K.君
ティウリは、宿、イカルヴァラに着いた。宿の主人に白い盾の黒い騎士の死を伝え、埋葬の手配を頼む。主人は、ティウリの指輪に気付く。そこへ、ティウリが借りていた馬の持ち主が現れ、ティウリをうったえるとおどす。ティウリは、任務を優先し、宿から逃げる。
Y.Y.君
ティウリが宿につくと二人お客がいた。ティウリは白いたての黒い騎士のことを話した。そのとき馬の持ち主がきて、ティウリを町につれていこうとする。話が長びくとまずいと思ったティウリは、その場から逃亡した。4人においかけられるなか、木にのぼってにげた。そのあと白いたての黒い騎士の馬をつかうことにきめた。
H.F.さん
ティウリは宿へもどり、主人に白いたての黒い騎士の『死』を伝える。ティウリはこれまでの説明をしようとする。その時、食堂のドアがあき、馬の持ち主が入ってくる。ティウリはぬすんでいないというが、男はみとめない。男はティウリを町につれていくという。ティウリはそれはダメだと思い、食堂からにげた。木にのぼり、追手は気づかずとおりすぎる。ティウリは木の上で、ため息をつき、親たちが心配することを思いうかべる。ティウリは一つのことを考えるとけっしんし、騎士の馬がいることに気づき、馬をつれにいく。
注:一つのことを考える=手紙を届けることに専念する
要点は以下の通りです。
・黒い盾の白い騎士の埋葬を依頼すること
・馬の持ち主が現れること
・(時間を惜しんで)逃亡すること
・黒い盾の白い騎士の馬のことを思い出すこと
ティウリは、1章2で手に入れた馬について、釈明をあきらます。
受講生たちに、自分たちならどうするかと聞くと、「修道院である男に頼まれ、その男が農場にある馬を使ってよいと言ったから」と正直に言うとのことでした。
一方、ティウリは、いわば絡まった糸を丁寧にほどくのではなく、断ち切ることを選択します。
今頃、ティウリの同期の若者たちは、叙任式を終えて騎士になっているでしょう。それなのに、自分はどろぼうと疑われ、逃亡者になっている。このギャップを、ティウリは黒い盾の白い騎士に託された手紙と指輪を見ることで、吹っ切ります。
ティウリは馬を失いました。しかし、黒い盾の白い騎士の乗っていた馬がいることに気付き、希望を持ちます。
これで1章を読み終えました。ティウリの孤独な旅が続きます。