福西です。
『ぬすまれた夢』(ジョーン・エイキン、井辻朱美訳、くもん出版)を読んでいます。
「3 鍵のかたちをした葉っぱ」を読みました。
ティム少年は、石に閉じ込められたゴブリンの声を聞きます。
「葉っぱを十二枚受けとめて、一枚一枚ぜんぶちがう木のだとしたら、そいつは魔法だぜ(…)もう一枚、葉っぱをつかまえな。そしたら、その葉っぱがおまえのさんのいちばんほしいものをくれるだろうよ」
ティムの願いは、「庭の池の上にある小さなほら穴にはいること」でした。キャッチした十二枚の葉がすべて異なる種類だったので、有頂天になったティムは、言われた通り、十三番目の葉っぱを持ってきます。
「おれのおなかの真ん中をごらん。ほれ、鍵穴があるだろう」
ティムは石に葉っぱを差し込みます。しかしそれは危険なことでした。石から出てきたゴブリンには悪意があり、ティムの体を小さくします。何も疑わないティムは願いがかなったと思い、庭のほら穴を探検します。しかし、ゴブリンは体を元に戻してくれず、ティムの三輪車に乗って、庭の外に出ていきます。ティムは途方にくれます。
そこへ、以前ティムの親切を受けた、カタツムリが助けにきてくれます。
さらに、庭の外で車が何かにぶつかる音がして、ティムは元の大きさに戻ります。
散らばった石の中に、三輪車を見つけたティムのお父さんは、ティムが無事だったのでほっとします。
ゴブリンはその日を境にいなくなり、一方、ティムとカタツムリの友情はその後も続いたのでした。
妖精の中には悪意を持つ者もいるという、ちょっと怖いお話でした。
私はグリム童話の「ガラス瓶の中の悪魔」を思い出しました。