「びりっかすの神さま」を読む(ことば3~4年2021/12/14)

福西です。

この日は、「俳句を作りたい」という要望があり、外に句材(俳句の材料)を見つけに出かけました。

ジャングルジムから冬のさびしい夕日を見送りながら、西山と、京都タワーを目にしました。

冬夕焼(ふゆゆうやけ、ふゆゆやけ)

冬紅葉(ふゆもみじ)

枯る(かる)

という季語を紹介しました。

 

そのあと、『びりっかすの神さま』(岡田淳、偕成社)、「5 カンニング」を読みました。

──おい、みゆきはおまえに合図をおくってるんじゃないか。(…)

おどろいた。みゆきは自分の書いたこたえを、始のほうにむけて、指さしていた。このこたえをうつせ、そういっているようだった。(…)

始の心ぞうがきゅっとちぢんで、ほっこりした。

始はクラスで一番できないとみんなから思われています。前回「まじめなみじめ」とからかわれた始のことを、みゆきはかわいそうに思い、0点を取らせまいと腐心してくれます。クラスで二番目にできないはずのみゆきが。そのことに、始はびっくりしながらも、温かい気持ちになったのでした。

──いい子じゃないか、みゆきって。

びりっかすも感想をもらします。しかし、まずいことに、市田先生には、すぐばれてしまいます。

「先生が点をつけていくとき、おなじまちがったこたえがつづくと、こいつはおかしいなと思うわけだ。カンニングはいかん。わかるな。」

返却された始の答案用紙には、0点の横に、「!!」と書かれていました。

やりきれない気がした。みゆきの親切を、先生が土足でふみにじったような気がした。

始は、みゆきがわり算の計算でいつも同じ間違いをしていることを、びりっかすから教えてもらいます。そして、自分がわざと代わりに間違えることで、みゆきに正しい計算方法を伝えます。そんな始の顔を、みゆきは「ふくざつな表情」で見返すのでした。