山下です。
セネカが読書のコツについて述べています。結論から言うと、彼は古典の精読を勧めています。
だが、気をつけたまえ。君のようにたくさんの作家やあらゆる分野の書物を読んでいると、あてどなく不安定な面も生じかねないからね。これと見定めた才能豊かな作家に時間をかけて自分の肥やしとすべきだよ、もし変わることなく心に残るものを引き出したいと思うならね。どこにでもいるということは、どこにもいないということだ。海外を旅して人生を過ごす人々の場合、多くの場所で歓待は受けるが友情は結べないということになる。同じことが必ず起きるものだ、才能ある作家の誰にも心を寄せて親しむことをせず、すべてを急いで駆け足に次々と訪れる人々の場合にもね。(岩波書店、高橋宏幸訳)。
引用個所について、リンク先で一字一句解説しています。