福西です。
『しずくの首飾り』(エイキン、猪熊葉子訳、岩波少年文庫)を読了しました。
受講生のみなさん、おめでとうございます。だいたい1学期をかけて読みました。
「作者はどんなオチをつけるつもりなのかな?」と思わずにはいられない、奇想天外な8つの話。エイキンの特徴ですが、移動の激しい展開と、主役のぶれない目線に飛び込む、バラエティーある遭遇者たち。それらに受講生と話が弾み、心が躍りました。
一方、「移動すると見せかけて、結局移動しない」という作品もありました。「三人の旅人たち」です。最後の旅人は、すぐ近くに幸せを見つけます。とても落ち着きのある、内容的にも形式的にも均整のとれた作品でした。色あせない名作であることをあらためて実感しました。
つぎは、同じ作者の作品から、『ぬすまれた夢』(エイキン、井辻朱美訳、くもん出版)を読みます。
ひきつづき、エイキンの数珠玉の短編を、クラスで味わいましょう。
なお、前作同様、今作の挿絵もとびきり美しいです。(数もさらに豊富です)