福西です。
『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)を読んでいます。
第1間奏曲を読みました。
「王さまの納屋」を語り終えたマーティン・ピピンは、六人のミルクメイドの一人、小さなジョーンの信頼を得ます。
ジョーンは、自分の好きな男の子を、「王さまの納屋」のウィリアム王子とすっかり重ねて、夢見心地です。彼とのけんかの原因をマーティン・ピピンに打ち明け、そのアドバイスを気に入ります。そして「もし物語が気に入れば渡す」という約束になっていたリンゴの中に、井戸屋形の鍵をこっそり入れて、マーティン・ピピンに渡します。
翌日、マーティン・ピピンとミルクメイドたちは朝食と昼食を食べ、鬼ごっこをして遊びます。
ミルクメイドの一人、ジョイスは「今日ほど面白い日はなかったくらい」と感想を述べ、「もしお話があれば「くらい」はとれて、正真正銘面白い日になる」と、暗にお話を要求します。一番年かさのジョスリンがあわてて訂正し、別に自分たちが聞きたいわけではなくて、井戸屋形のジリアンの恋の病を治すのが役目だから、と言います。
マーティン・ピピンは、「くらい」を取るために、二つ目の物語「若ジェラード」を語ります。
今回、ブランコに乗っているのは、ジョイスです。彼女が一番気に入るであろう内容になっています。
この「若ジェラード」は、星のように花の降るラストシーンが、なんともロマンチックです。必読です。