「星モグラサンジの伝説」を読む(ことば3~4年、2021/10/26)

福西です。

『星モグラ サンジの伝説』(岡田淳、理論社)を読んでいます。

3「長老会議がひらかれた」を読みました。

サンジがあまりに猛スピードで穴を掘るので、モグラ社会が震撼します。

そこで伝統的な「モグラ社会」を守ろうと、長老たちが会議を開きます。

長老たちはサンジに「一か所に定住し、みなに迷惑をかけないように」という命令を下します。

その命令を伝えるために、野原のブロックごとに使者が立てられます。

もしサンジが通りがかったら、それを伝えるようにと。

一方そんなこととは露知らず、サンジは地面の次に、空をほることを覚えます。つまり、飛ぶことが可能になります。

 

サンジが「ほること」を極めるうちにモグラ仲間から疎外される展開は、リチャード・バックの『カモメのジョナサン』に酷似しています。

おそらく本歌取りでしょう。

また、このあと使者が4人出てくる流れは、新約聖書のパロディとも読めます。

大人になって読み返したときに、そのずれを楽しんでくれたらなと思います。

 

つぎの俳句を紹介しました。

胡桃二つころがりふたつ音違ふ  藤田湘子

胡桃が晩秋の季語です。