福西です。
『星モグラ サンジの伝説』(岡田淳、理論社)を読んでいます。
3「長老会議がひらかれた」を読みました。
サンジがあまりに猛スピードで穴を掘るので、モグラ社会が震撼します。
そこで伝統的な「モグラ社会」を守ろうと、長老たちが会議を開きます。
長老たちはサンジに「一か所に定住し、みなに迷惑をかけないように」という命令を下します。
その命令を伝えるために、野原のブロックごとに使者が立てられます。
もしサンジが通りがかったら、それを伝えるようにと。
一方そんなこととは露知らず、サンジは地面の次に、空をほることを覚えます。つまり、飛ぶことが可能になります。
サンジが「ほること」を極めるうちにモグラ仲間から疎外される展開は、リチャード・バックの『カモメのジョナサン』に酷似しています。
おそらく本歌取りでしょう。
また、このあと使者が4人出てくる流れは、新約聖書のパロディとも読めます。
大人になって読み返したときに、そのずれを楽しんでくれたらなと思います。
つぎの俳句を紹介しました。
胡桃二つころがりふたつ音違ふ 藤田湘子
胡桃が晩秋の季語です。