福西です。
『トムは真夜中の庭で』(フィリパ・ピアス、高杉一郎訳、岩波書店)を読んでいます。
「9 ハティ」を読みました。
トムは、庭園でハティとその三人のいとこがリンゴを盗んでいるところに出くわします。ハティもその仲間に入りたいのですが、いとこのエドガーによって仲間外れにされます。トムはそれを見て、エドガーに嫌悪感を抱きます。
犬がトムに吠え、いとこたちがそちらを向きます。けれどもトムのことは見えません。トムは無視されたと思い、仕返しに舌を出します。
すると、ハティも舌を出し返します。
トムは驚きます。
エドガーがハティのおかしな行動に気づいて詰問します。
「舌が口のなかで熱くなったからよ」
ハティはとっさの機転を利かせます。そのことで、トムはハティが賢いことに気づきます。
ハティが突然その場を離れていなくなったので、トムはあわてて追いかけます。まるでかくれんぼをしているかのように。
結局ハティの方から姿を見せ、彼女は、次のことを伝えます。
「わたし、あんたのことなんか、何度も、何度も、何度も見ていたわ」
と。それでトムはハティのことを尊敬し、「ぼくはトム・ロング」と自己紹介します。
すると、ハティは自分のことを「ハティ王女」(Princess Hatty)と名乗るのでした。
受講生のAさんが、次のことをまとめてくれました。
ハティがトムを見ていた時
1)p64~66 「ハシバミの木の切り株のそばを走って……」
2)p70の2行目他 芝生の上に足あとがのこっていた
3)p77の12行目 「部屋のほこりをはらっていたスーザンに……」
4)p77の15~16行目 芝生をへだてた寝室の奥の方の壁を背に……
5)p82~84 「果樹園へいくドアをあんたが……」
6)p86の6行目 いつもだれかに見られている……
こういう振り返りが大事ですね。
加えて、
p104 「わたし、だれでも見えるのよ」
とハティが園丁に自慢していたことも、いまとなっては納得です。