『リンゴ畑のマーティン・ピピン』を読む(西洋の児童文学を読むC、2021/10/7)

福西です。

『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)を読んでいます。

第1話「王様の納屋」の続きです。

祈りの丘にくる間に、老馬ペパーの蹄が1つずつ、計4度なくなります。

困った王様は、丘のふもとの鍛冶屋をたずねます。

しかしお金がありません。

王様は、鍛冶屋の主に修行させてもらい、自分で蹄を打たせてもらうことを頼みます。

鍛冶屋は、真っ黒にすすけた若者が一人で仕事をしています。その若者は、仕事を手伝うことを条件に、王様の願いを許可します。

王様は鍛冶屋を師匠として仰ぎ、毎日住み込みで、鍛冶の仕事に励みます。

鍛冶屋の若者は厳しいながらも、親切にしてくれます。そして王様の腕がだんだんよくなっていくことを認めます。

そして最初の土曜日。

土曜日は半ドンで、鍛冶屋の若者も午後は不在になります。

王様はかねてよりの期待に従って、一人で丘に登り、日没から夜明けまでの無言の行をします。

けれども修行には、無言のほかに、もう一つルールがあります。

それは、「深夜に一度だけ、丘の池で頭をつける」というものでした。

王様は鳥の歌声を合図に、池におもむきます。

すると、先客がいました。

池で水浴びをしている女性でした。

三日月のような白さは、はっきりと見わけられた。

王様はその美しさにいったんは心を奪われそうになりますが、くしゃみをした後、我に返ります。

そして恥ずかしさのあまり、逃げ出し、修行に戻ります。