福西です。
『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)を読んでいます。
第1話「王様の納屋」の続きです。
祈りの丘にくる間に、老馬ペパーの蹄が1つずつ、計4度なくなります。
困った王様は、丘のふもとの鍛冶屋をたずねます。
しかしお金がありません。
王様は、鍛冶屋の主に修行させてもらい、自分で蹄を打たせてもらうことを頼みます。
鍛冶屋は、真っ黒にすすけた若者が一人で仕事をしています。その若者は、仕事を手伝うことを条件に、王様の願いを許可します。
王様は鍛冶屋を師匠として仰ぎ、毎日住み込みで、鍛冶の仕事に励みます。
鍛冶屋の若者は厳しいながらも、親切にしてくれます。そして王様の腕がだんだんよくなっていくことを認めます。
そして最初の土曜日。
土曜日は半ドンで、鍛冶屋の若者も午後は不在になります。
王様はかねてよりの期待に従って、一人で丘に登り、日没から夜明けまでの無言の行をします。
けれども修行には、無言のほかに、もう一つルールがあります。
それは、「深夜に一度だけ、丘の池で頭をつける」というものでした。
王様は鳥の歌声を合図に、池におもむきます。
すると、先客がいました。
池で水浴びをしている女性でした。
三日月のような白さは、はっきりと見わけられた。
王様はその美しさにいったんは心を奪われそうになりますが、くしゃみをした後、我に返ります。
そして恥ずかしさのあまり、逃げ出し、修行に戻ります。