『トムは真夜中の庭で』を読む(西洋の児童文学を読むB、2021/10/1)

福西です。

『トムは真夜中の庭で』(フィリパ・ピアス、高杉一郎訳、岩波書店)を読んでいます。

「7 ピーターへの報告」を読みました。

トムは、アランおじさんに以下の質問します。

・ドアは通りぬけられるか?(幽霊のように)

・倒れた木が元通りになることはあるか?

・『時』とはどういうものか?

アランおじさんは、脈絡のない質問だと解し、トムのまじめさを疑います。

横で聞いていたグウェンおばさんは、「夢を見たのよ」とアドバイスします。

けれどもトムは「ほんとうの話なんだ!」と興奮します。そして大人たちに話がまったく通じないので、弟のピーターに手紙を書きます。

 

実は、グウェンおばさんの「夢を見たのよ」発言は、この作品を二度読んだ人には、「なるほど」と思う節があります。

ともあれ、トムは、雷がモミの木に落ちた一件から、「時」について気になりだします。

そして「ハティ」という名前も、ようやく登場します。

 

【追伸】

受講生のAさんが、以前読んだ個所で、似た表現があることを発見してくれました。

6章(p87)

(モミの木は)まるでうぶぎにつつまれた赤ん坊の腕のようにあらあらしくもがいていた。

5章(p68)

(モミの木は)ちょうどうぶぎにつつまれた赤ん坊が、そのすきまから両腕をつきだしているような感じだった。

なぜモミの木に「赤ん坊」という表現が使われているのか、気になりますね。