福西です。(10/5と10/29については、別の記事でアップする予定です)
このときは2週連続で、100枚のカードを使って「4ひきのこぶた」というものをしました(名前は私が勝手につけました^^)。元ネタはNHKで放送されていた、「スタンフォード白熱教室・第6回『トランプで創造性を学ぶ』」です。それを今回、人数用の設定に変更して行いました。以下がそのルールです。
(進行)
このゲームは、あなたが「カードの家」に住むために、カードをかき集め、カードの家を作ってポイントを競うというものです。カードの家は、ある条件を満たすほど、ポイントが高くなります。これから、カードを配ります。そして、以下のルールをよく読んで、トライしてください。ゲームの時間は30分です。(カードは4色25枚ずつ。各色、0が1枚と1~9が2枚ずつ、そしてマークが6枚あります)
(ルール)
1)以下のルール以外に、ルールはありません。
2)先生への質問は禁止します。自分たちでルールを解釈してください。
3)階数や点数に数えられるカードは、この場にあるカードだけとします。
4)カードは、おたがいのチームで交換できます。
5)上の階に行くほど、カードの数字は同じか、小さくなっていかなくてはいけません。
つまり、9>8>7>6>5>4>3>2>1>0です。(0以外のカードは2枚ずつあります)
6)またカードの色にも順位があります。それは、赤>黄>緑>青という順番です。
7)同じ数字の場合、色で順位が決まります。また同じ色の場合、数字で順位が決まります。
数字による順位の方が、色による順位よりも優先されます。(例:「黄の3」>「緑の3」ですが、「黄の3」<「緑の4」)
8)最上階はマーク(数字以外)のカードでなければなりません。
9)マークのカードは、どこに入れても構いません。
10)最終ポイントの計算は、以下のとおりです。
・「カードの家」の階数ごとに1点。
・そのチームの中で、一番階の多い「カードの家」だけが、点数の対象となります。
・1色が25枚全部そろうと、さらにボーナスで25点。
・同じチームのメンバーは、全員そのチームの点数となります。
11)暴力行為、暴言行為、破壊行為、略奪行為、他チームのトランプの家を崩す行為を禁止します。
12)ゲームが終わるまで、部屋を出ることを禁止します。
13)途中で状況が変わっても、驚いたりさわいだりすることを禁止します。
以上です。
箇条書きにするとややこしそうですが、最適化問題の一種で、5)~9)の条件下のもとに、10)にある目的値を最大にするという問題を考えています。そしてそのために、(4)に書かれている「カードの交換」をいかに有効に果たせるか・・・? つまり、いかに相手も納得する切り口で、交渉を有利に進められるか? というわけです。
と、ここまで書いたら、「競争」が予想されますが、実際に生徒たちの取り組みも、その通りとなりました。(しかし本当の狙いはというと、その陰にあります)。
さて、カードは、4人に3色配り、あとで残りの1色をオークションにかけたり、謎カードを売りつけたりして、だいたい元ネタ通りにしてみました。(元ネタではチップがあったのですが、ここではそれを省略しました)。
結果は、まんまんと競い合いになりました(笑)。そして面白い(?)ことに、1回戦では、カードの交換はついに一度も成立することがありませんでした。なぜかというと、その交換で、相手がどれだけ得をするかということが推し量れずに、漠然と自分が損をすることを警戒したからです。そのように、どの生徒にも感じられたのは、「交渉するよりも、今ある自分の手札で、一番良いものを考えよう」というムードでした。当然、対抗意識は高まり、自分の工夫を誇る様子が見られました。
一方で、何度か「チームを組んだらどうなるんやろう?」という話が持ち上がりました。ただ、その都度、「オークションです!」とか、「ここで新しいカードを配ります!」といった、新しい状況に押し流されてしまい(それを私が差し挟むことによって)、結局うやうやとなってしまいました。
そして、最初から最後まで、個人プレーのままで展開は推移し、時間オーバーとなったところで、順位発表です。しかし一位になった人は、何点で「やったー!」という感じではなく、「だからどうなのか?」という、いまいちの笑みがうかべられない様子でした。そして、実はそれは予想されたことなのでした。
(その2へ続きます)