福西です。
「はらぺこオオカミ」シリーズ3冊目、『まだまだはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)に入りました。
第1話「ほんもののポリーは?」を読みました。
ポリーが出会ったオオカミは、窓ガラスの二匹のハエをじっと観察しています。
そしてハエの一匹がポリーだと言い、目の前のポリーのことを「ポリーに似たおじょうちゃん」と呼びます。
案の定、オオカミは何かの本を読んできたのでした。それは次のようなものでした。
ドラゴンがお姫様をつかまえる。
女の子はハエに姿を変え、おばあさんになり、橋になる。
ドラゴンが橋の上を通ると、お姫様は変身をとき、ドラゴンは川に落ちておぼれ死ぬ。
と。(この元ネタのお話を、私は知りません。もしご存知の方がいたら、教えて下さい)
オオカミは、ポリー=ハエの正体を見破ったことで、いかにも得意そうです。
「じょうちゃん! じょうちゃん!」
オオカミがまたよびました。
「あたしのこと?」
ポリーがききました。
「あたりまえでしょう、あんたですよ。このわたしが、じぶんにむかって、『じょうちゃん』なんてよびかけるとでもおもっているんですか?」(…略)
あんたは、ポリーという名まえの女の子に、すごくよくにているけど、あんたがポリーじゃないってことは、わかっているんです。ポリーはべつのとこにいるんですから、すがたをかえて。それで、『じょうちゃん』っていわなきゃならなかったんです。さあ、もうつまらないことばかりきくのはやめて、まともな答えをしてください。」
オオカミがいいました。
「まともな答えを」というオオカミが、いかにも高飛車で、面白いです。
このあと、オオカミはバスを待つおばさんや、歩道橋を「変身したポリー」だと思って、つかまえようとします。
本物のポリーは、オオカミが交通事故にあわないことを確認したうえで、家に帰ってしまうのでした。
次回は、第2話「魔法のくすり」です。