福西です。
『ポリーとはらぺこオオカミ』シリーズの2冊目に入りました。
『はらぺこオオカミがんばる』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)です。
1章は、「かしこいオオカミとおばかさんのポリー」です。
これは前作の「かしこいポリーとおばかさんのオオカミ」の本歌取り(パロディ)です。
「まったく、しつれいしちゃうよ。」
オオカミは、ぶつぶつもんくをいいました。
『かしこいポリーとおばかさんのオオカミ』という本を手に入れたオオカミが、ひとりごちます。
そこで、自分はポリーとオオカミを入れ替えた題名の作品を執筆します。
「ある日、かしこいオオカミは、ポリーをつかまえて、頭から、くってしまいました。」
うーん、くしゃくしゃ、ポイ。
それから、自分はいかにかしこいオオカミであるか、ということを(ポリーを含めた)読者に知らしめるために、自伝のようなものを書きはじめます。
「わたしは……すみごこちのいい大きなあなの中で、生まれました。生まれた年は……」
そこで、筆がハタと止まります。
自分の生まれた年はいつだろうか、と。
オオカミは、いつぞやに買いためた豆缶をひっくり返して、数を数え始めます。
けれども1957年という数字を作るためには、豆が足りません。
結局豆を食べただけに終わり、オオカミはこう書き終えます。
「ありがたいことに、わたしは生まれたのです。」
と。