福西です。
クマのプーさんえほん(ミルン、石井桃子訳、岩波書店)の、『12 プー あそびをはつめいする』を読みました。
のどかな始まり方をしますが、今回もイーヨーの災難について書かれています。
川の上流で何が起こっていたか、時系列を逆にたどる内容です。(おおもとはトラーの仕業であることが分かるのですが、割愛します)。
一番面白かったのは、この箇所でしょうか。
プーは、石をおとしました。大きなしぶきがあがって、イーヨーの姿は消えました。
何があったかというと、こうです。
プーたちが川に棒を投げて遊んでいました。
すると上流から、仰向けのイーヨーが流されてきました。
「だれかに助けてもらおうと思っとるんじゃ」とぼそぼそ言います。
橋のところで渦にひっかかり、ぐるぐると回るイーヨー。
それを助けようとして、プーが石を持ってきます。
イーヨーのそばに石を落とし、波を起こして、イーヨーを岸に「ぶっちあげる」という作戦でした。
石の投下を見たイーヨーは、他力本願をあらため、自力で岸に泳ぎ着きます。
「あれ、イーヨー、きみ、ぬれてる!」
と言うコブタに対し、
「水のなかにいると、どういうことになるか、だれかコブタに説明してやってくれまいか」
と言うイーヨー。まるで落語のような世界です。
ご興味のある方は、ぜひ本書をお読みになってください。