岸本です。
今日は、学校でよくわからなかったという万葉集について、生徒さんと一緒に考えていきました。
教科書に掲載されている歌を中心に、生徒さんのノートを見ながら読み方や意味を議論しました。
例えば、額田王の「君待つと吾が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く 」や、山上憶良の「銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも」などを鑑賞していきました。
訓読されているので、読み方は難しくありません。語句の意味についても、ノートにはしっかりまとめられていました。
私からは、やや細かいですが助動詞の意味や使い方、係り結びの法則などを指摘しました。
それ以外にも、「君」や「吾」といった代名詞が誰を表しているのか、歌の背景知識も合わせて確認しました。
特に恋を描いた歌の場合、二人の関係性を知ってこそ、歌の味わいも増すというものです。
最終的に、歌を読解して、具体的な意味をつかんでから、全体の雰囲気や感情を考えてもらいました。
例えば、大津皇子と石川郎女の相聞歌「あしひきの山のしづくに妹待つと我れ立ち濡れぬ山のしづくに」と 「我を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくにならましものを」では、二人の間のかなわぬ恋が、「山のしづく」によって切なくあらわされています。
一見難解な万葉集の歌も、きちんと読んでいけば、そこに描かれているのは私たちにも通ずる感情なのです。
「古典」だからといって、その「難解さ」に恐れをなすのではなく、古今に通ずる「普遍さ」を楽しんでほしいと思います。
来週は、再び漢字と記事の書き取りを行いたいと思います。