『ポリーとはらぺこオオカミ』を読む(ことば3~4年2021/5/25)(その2)

福西です。

(その1)の続きです。

『ポリーとはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)の最後、7章「短いお話」です。

オオカミは、ポリーの家の花畑で、花占いをしています。

「手にはいる、手にはいらない。」

と。受講生たちはもちろん何が手に入らないか、承知です。

ポリーはオオカミの作業を見て、こんなことを言います。

「これが、世界中にあるヒナギクぜんぶっていうわけじゃないわね、オオカミさん。」

最初は一輪。

つぎは花畑全部。

つぎは世界中。

その最後の花の、最後の花びらが「手に入る」で終わったら、

「食べられてあげてもいいわ」

と。

オオカミは、「世界中なんて、とても一年じゃ間に合わない。しかも毎年咲くんだから、やり直しになるじゃないか」と抗議します。

ポリーは「ええ、そうね」と残酷なまでにうなずきます。

「一つのことにみをいれると、かなりのことをやりとげられるのよ。それに、そのうち、ずっと早くやれるよになるでしょうし。練習がものをいう、でしょ。」

これは以前、オオカミが呼吸法を練習して、レンガの家を吹き飛ばせると思ったことの意趣返しです。

というわけで、オオカミは、ポリーの家のしばふで、ヒナギクをつんで、日をおくっているのです。

読み終えてから、「この終わり方は『だれ』にとってのハッピーエンドなのでしょうか?」

と、受講生たちに質問しました。

「ポリー」

と返事が返ってきました。

「じゃあ、オオカミは?」

と。

それは、おそらく、この本の冒頭の挿絵が物語っているのだと思います。

キャサリン・ストーの作品は、「軽み」のあるうえで、きちんとしていて、味わい深いです。

というわけで、受講生のみなさま、一冊読了おめでとうございます。