福西です。
『ポリーとはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)の5章「七ひきめの子ヤギ」を読みました。
今回は、ポリーがミスをします。
オオカミだと思って、本物のお母さんを玄関前に長時間待たせてしまいます。
「おねがいだから、はやいとこ、あけてちょうだい。でないと……」
重たい買い物袋を提げるお母さんの声が怒気を帯びたあと、玉子パックが落ちて、つぶれる音がします。お母さんはまた玉子を買いなおしに玄関を去ります。
そこへちょうどオオカミがきたので、ポリーは確かめずにドアをあけてしまったのです。
ところが、ポリーはそこから挽回します。
「ねえ、オオカミさん、あなた、そのお話、そのあとどうなるか、さいごまでよんだの?」
「いや、よんだのは、オオカミが、六ぴきの子ヤギをたべたところまでさ。そのあとどうなったかなんて、どうでもいいからね。」
「じゃあ、あのオオカミがそのあとどうなったか、しらないのね。ということは、あなたがあたしをたべたらどうなるかも、しらないのね。」
これを聞いて、オオカミは不安に襲われます。
それからポリーの話す『七ひきの子ヤギ』の結末に、オオカミはとうとう「うわぁ!」と悲鳴をあげて逃げだします。
「たまごだ。」
と、玄関で立ち止まったあとで。パニックの最中に一瞬「素にもどる」オオカミが、なんともファニイでした。
落語と同じで、オチが分かっていても、何度も読んで楽しめる一話だと思います。
読んだ後は、いつものようにプリントで内容を確認しました。