しぜんクラス担当、梁川です。
今期のしぜんクラスは6クラスとなり、そのうち1つは中村安里先生と二人担任で10人のクラスとなりました。連休前、それぞれの初回クラスが終わりました。
初回クラスでは私の方から生徒のみなさんへ、表題のような話をしました。しぜんクラスの中には、二つの時間があるように思います。まずは、その二つともを、クラスでは大事にしていることを伝えました。
次に、「にぎやかな時間」ですが、これは分かりやすいです。お天気のよい日に森の中へ行けば、ふいに走りたくなったり、木に登ってみたくなったりしますね。或いはヤッホーと谷の向こうへ向かって叫んでみたくなったりします。そうやって体中をつかって過ごす時間のことです。
もうひとつの「静かな時間」を言い換えると、「静かにしているとよいことがある時間」です。
森の道をみんなでわいわい駆けていったら、出会えたはずの虫たちは、行く先々から逃げてしまうかもしれません。また、珍しい鳥の声が聞こえているはずなのに、全く気づかないかも知れません。
一つの例として、あるとき4〜5m先の石段の隅で、日向ぼっこしているトカゲを見つけ、トカゲに気づかれないよう、接近していったエピソードを紹介しました。ゆっくりと、お能のような動きよりもさらにゆっくりと、身を屈めながらトカゲに近づいていきます。
最後にどこまで近づけたかと言いますと、トカゲの横顔を10センチ目の前で見ることに成功しました。
気持ちよさそうに身体を温めているトカゲは、全くこちらに気づく様子もなく、眠たそうにまばたきを繰り返したあと、小さなあくびをしたのです。これは私にとっての「宝物の瞬間」です。
しぜんクラスは、「にぎやかな時間」になりがちですので、あえて最初にこのような話をしました。
「今はどっちの時間かな?」その切替ができるようになると、誰かが何かを発見したとき、瞬時に空気を察知して、賑やかモードから、静かモードにぱっと転じることがあります。早くもそうした場面がいくつかありました。
(細かく申しますと、どちらも身体を使うには違いありませんが、「身体の使い方が違う」ということになります。)
クラスでは毎回、書ききれないほどの出来事がおこりますが、また少しずつご紹介できればと思っております。
山下です。
子どもたちが両方の時間の違いを意識することは大事ですね。
とかげの話は心に響くお話です。
先生が違うと「にぎやかな時間」だけに終わり、「静かな時間」を経験してもらおうとして「大きな声で注意する」という喜劇も起きやすいです。
今後のレポートを楽しみにしています。
山下先生
コメントを有難うございます。ご指摘下さいました通り、「にぎやかな時間」に流れることは比較的容易でも、ふとした瞬間に「あ、今は『静かモード』にしていると『何かよいこと』があるときだな」と子どもたち自身が空気を察することができたり、あらかじめ、そうした空気が生まれるよう、こちらがわでさり気なく演出を考えておくなど、工夫をしていきたいと思っております。そうやって、ずっと忘れたくなくなるような「宝物の瞬間」を子どもたちにはたくさん集めて欲しいと願っております。