福西です。
『ポリーとはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)の3章「ポリーずきん」を読みました。
オオカミは『赤ずきん』を読んできます。
「おばあさんは、どこにすんでいるんですか、ポリーずきんちゃん」
「町のはんたいがわよ(…)電車にのって、それから、バスにのりかえるのよ」
「ちがう、ちがう、ちがう、ちがう! ぜーんぜん、ちがう。そんなこといっちゃ、だめだったら。『森の中の、まがりくねったほそい道をとおってよ』みたいなこと、いわなくちゃ」
こんな感じで、オオカミはポリーに、話を合わせるように要求します。
けれども現実にはバスや電車や自家用車があります。
オオカミは、改札で門前払いされたり、車の排気ガスをむなしく追いかける始末。
三度目の正直で、オオカミはおばあさんの家に先回りします。けれども……
「どなた?」
家の中から、声がしました。
オオカミは大よろこびしました。話どおりにはこんでいます。こんどこそ、うまくいくにちがいありません。
「ポリーずきんですよ」
オオカミが、キーキーつくり声でいいました。
(…)
「どなたっていったの?」
「ポリーずきんですったら」
オオカミはとっさにこたえたので、こんどはつくり声をつかうのをわすれていました。
「だいすきなおばあさんを、たべにきたんです、バターやたまごといっしょにね」
(…)
「もう一度いってくれるかしら」
「ポリーですよ」
オオカミは、胸をはっていいました。
(…)
「それじゃ、さっきからここにいるのは、いったいどこのだれなんでしょう。じぶんじゃ、ポリーだっていっているけど。でも、あなたがポリーなら、ここにいるのはオオカミってことになるわね」
オチはご想像におまかせします。
今回も受講生たちは「オオカミって、だんだんかしこくなってるのに、やることがもっとばかになってるなあ」と感情移入していました。