『ポリーとはらぺこオオカミ』を読む(ことば3~4年2021/4/27)

福西です。

『ポリーとはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)の3章「ポリーずきん」を読みました。

オオカミは『赤ずきん』を読んできます。

「おばあさんは、どこにすんでいるんですか、ポリーずきんちゃん」

「町のはんたいがわよ(…)電車にのって、それから、バスにのりかえるのよ」

「ちがう、ちがう、ちがう、ちがう! ぜーんぜん、ちがう。そんなこといっちゃ、だめだったら。『森の中の、まがりくねったほそい道をとおってよ』みたいなこと、いわなくちゃ」

こんな感じで、オオカミはポリーに、話を合わせるように要求します。

けれども現実にはバスや電車や自家用車があります。

オオカミは、改札で門前払いされたり、車の排気ガスをむなしく追いかける始末。

三度目の正直で、オオカミはおばあさんの家に先回りします。けれども……

「どなた?」

家の中から、声がしました。

オオカミは大よろこびしました。話どおりにはこんでいます。こんどこそ、うまくいくにちがいありません。

「ポリーずきんですよ」

オオカミが、キーキーつくり声でいいました。

(…)

「どなたっていったの?」

「ポリーずきんですったら」

オオカミはとっさにこたえたので、こんどはつくり声をつかうのをわすれていました。

「だいすきなおばあさんを、たべにきたんです、バターやたまごといっしょにね」

(…)

「もう一度いってくれるかしら」

「ポリーですよ」

オオカミは、胸をはっていいました。

(…)

「それじゃ、さっきからここにいるのは、いったいどこのだれなんでしょう。じぶんじゃ、ポリーだっていっているけど。でも、あなたがポリーなら、ここにいるのはオオカミってことになるわね」

オチはご想像におまかせします。

今回も受講生たちは「オオカミって、だんだんかしこくなってるのに、やることがもっとばかになってるなあ」と感情移入していました。