山びこ通信2020年度号(2021年3月発行)より下記の記事を転載致します。
『ことば1年』
担当 福西亮馬
字を読むこと。広い世界を垣間見ること。人の心の機微を知ること。ストーリーの展開に驚くこと。本にはじつにさまざまな心の栄養と経験がつまっています。
このクラスには1年生2人が受講しています。2人とも本が大好きあることは、その音読でわかります。引き続き、本との出会いを見守るクラスとして、内容確認のプリント、音読、テキストの選択の3つに心を砕きます。
ふりかえると、幼年向けの児童書を毎週1冊ずつ読んできました。年間で30冊を越えます。シリーズものだけを抜き出すと、下記のとおりです。
『みちくさ一年生』(あまんきみこ、講談社)(全5冊)
『ふたりはともだち』(アーノルド・ローベル、三木卓訳、文化出版局)(全4冊)
『リトル・グレイラビット』(アトリー、 箕浦万里子訳、偕成社)(全8冊)
『こぐまのくまくん』(ミナリック、松岡享子訳、福音館書店)(全5冊)
とくに、ローベルのがまくんとかえるくんシリーズは、読み聞かせだけでなく、自分で読むタイミングでもおすすめです。おそらく、学校の教科書に掲載された『おてがみ』で知ることが多いのですが、そのほかの短編も味わい深いです。4冊しか出ていないことが惜しいくらいです。
つぎに読むテキストを紹介します。『クマのプーさん えほん』(ミルン、石井桃子訳、岩波書店)(全15冊)です。原作から幼年向けに分冊化されたものです。ただしそれほど縮約されていないため、言い回しにむずかしいところがあります。それをかみくだきながら読みます。読み聞かせで知っている人にも、新しい発見があると思います。お楽しみに。