山びこ通信2020年度号(2021年3月発行)より下記の記事を転載致します。
『かず5~6年』B
担当 浅野 望
今期は5年生1名、6年生1名の計2名とともにやっています。授業内容は引き続き、解けそうで解けない問題2, 3問にじっくり取り組むというものです。具体例として、最近取り組んだ問題の中で特に興味深かったものを以下に挙げておきます。
赤い帽子が3つ、白い帽子が2つあります。これをAさん、Bさん、 Cさんに見せたあと、アルファベット順に前を向いて並ばせ、本人には見えないように帽子をかぶらせました。それぞれ自分より前にいる人の帽子の色はわかりますが、自分と自分の後ろにいる人の帽子の色はわかりません。まず、Cさんに「あなたは何色の帽子をかぶっていますか」と聞くと、「わかりません」と答えました。次に、Bさんに同じことを聞くと、「わかりません」と答えました。そしてAさんに同じことを聞くと、「わかりました!」と答えました。Aさんの帽子の色は何色でしょうか。ただし、これを実施している部屋には鏡などの小細工はなく、他の人のセリフは聞こえるものとします。
上の問題はなかなか難しいと思います。実際、授業でも途中までひとりで取り組んでもらったのですが苦戦していました。しかし、生徒さんどうしで話し合ってやってもらうと(私が軽いヒントを与えることもしばしばありますが)、意外といいところまでたどり着いてくれます(例えば上の問題だと、Aさん、Bさんは2人ともは白い帽子ではないことに気づいてくれました)。この授業を通して、人と話し合って問題に取り組むことおよび算数のたのしさ・おもしろさに気づいてもらえれば幸いです。