山びこ通信2020年度号(2021年3月発行)より下記の記事を転載致します。
『かず3〜4年』
担当 中村 安里
かずのクラスでは、論理的思考あるいは柔軟な発想力の基礎を構築していく時間となりました。例えば、「大人に役立つ!頭のいい小学生が解いているパズル」では、はしご型思考、ピラミッド型思考、しらみつぶし思考、リバース思考、単純変換型思考などあり、はしご型思考は「知識と経験で直感的に解いていく思考方法」、ピラミッド型思考では「わかったことを積み上げながら解いていく思考方法」、しらみつぶし思考では「ルールを作って、もれなく一つずつ確認しながら解いていく思考方法」、リバース思考では、「答えを予測し、逆算して解いていく思考方法」など問題を通じてたくさんの思考方法に触れていきます。これらの思考は問題の中でとどまることはなく、日常で何かを観察するとき、体験するとき、あるいは人とコミュニケーションを取るときに、用いていることです。たとえば日常的に話していて、会話が複雑で要点が見えない人と出会ったときに、仮に相手の話を、段階を追って整理することができたら、相手の話の中にある重要な答えを予測して、会話を進めることができたら、あるいは複雑そうに見える話が実はとても単純な話なのかもしれません。このように私たちが算数に向き合うこと、あるいは論理的思考のトレーニングをしていくことは、生きていく上で役立つ思考の道具を自分の心の中で磨いていくプロセスなのです。この他にもスキャン思考、クリエイト思考、ステップ思考、水平思考など色々な道具があります。毎回のクラスで身につけていきます。先が見えない社会の中で、一人一人がこれから出会っていく課題に直面したときに、多様な思考方法によって課題解決を導き、そのプロセスを楽しめる人になってほしいという願いのもと講座を開いています。
また、机上の勉強だけではなく、ときに身体を使ってゲームをしています。下記の写真は迷路を紙で作り、身体を使って課題解決に取り組んだときの写真です。誰かと協力することであるいは共に切磋琢磨し合うことによって今までできなかったことができたときの喜びは一人で成し得たとき以上のものがあるのではないでしょうか?
参加してくれた方一人一人の中に宝物、賜物は眠っています。その人にしかできないこと、その人にしかない素質があります。たとえば今かずのクラスに参加していただいている方はとても絵が上手なので、その人にしか描けないこと、体験できないことが詰まった冒険日記を作っていきます。楽しみですね。日常の遊びの中であるいは冒険の中で、上記で挙げた柔軟な思考の道具を心に秘めて、様々なことを経験し、学んでいってほしいなと願っております。