福西です。
『最後の手紙』(竹下文子、偕成社)を読了しました。
「黒ねこサンゴロウ」シリーズ、全10冊の山を登り切りました。受講生のみなさん、おめでとうございます。
『最後の手紙』の最終章で、サンゴロウは自分自身の記憶と対峙します。しかし「もう一人の自分」と思っていたものの正体は、じつは過去の因縁にまつわる「別のもの」でした。それがどんでん返しでした。
「これでただしいと、あんたはおもうのかい」
その過去の因縁と決着をつけたサンゴロウは、解放された「もう一人の自分」と一瞬だけ会話します。
そして夕日を背に船を向け直します。
「おれのかえる港は、ひとつしかない」
と言い残して。
最後までカッコいいサンゴロウでした!
山下です。
>全10冊の山を登り切りました。
おめでとうございます!すごいとしか言えません。まだまだ旅は続くのですね。
このクラスのこの先がますます楽しみです。
福西です。
山下先生、お祝いをありがとうございます。
今度は『ポリーとはらぺこオオカミ』『はらぺこオオカミがんばる』『まだまだはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波)という3冊の山に登ります! 楽しみです。
山下です。
素晴らしい!ぜひ皆さんでお出かけください。
別のエントリーにもコメントしましたが、「皆で一冊の本を読む経験」がどれほど人生の宝物か、と思います。
それは小学生に限られたことではなく、中学生、高校生、否大人にとっても貴重な得難い経験なのだと思います。
私も立場上ラテン語に関しては、先生役として複数の受講生と同じテクストを読みますが、いつも学ぶところは大きく、かつ、みなさんと読むことで得られる喜びは計り知れないほど大きいです。
大学生も院生も人文系の場合、自主的に読書会を開いて精読の経験を共有します。あの伝統が今も残るかぎり、日本の将来は楽しみです。恵まれたことに、山の学校は京大も近く、そうした勉強会を自主的に立ち上げ、運営してきた猛者と呼ぶべき先生たちがこぞって集まり、この山の学校という場で、何かやってみたいと目を輝かせてくれています。一人でも多くの中学生、高校生が、そうした先生たちといっしょに「本をしっかり読みきる喜び」を10代のうちに豊かに経験してもらいたい、と切に願っています。
福西です。
山下先生、いつもありがとうございます。
本を読んだこと、言葉を介した精神的な思い出が、
どんな勉強に対しても、基礎になると信じます。
土台作り。
本立ちて道生ず。
私も声を大にして言います。
「一冊の本をしっかり読みきる体験をしましょう!」と。
流し読みで「ぼくわたしは100冊読んだ!」ではなく。
自己申告の読書量に「自分」が欺かれないために、「仲間になりましょう!」と。