福西です。
『クマのプーさん えほん』(ミルン、石井桃子訳、岩波書店)を読んでいます。
この日は、4冊目。「イーヨーのたんじょうび」を読みました。(お話のあらすじはこちら。)
イーヨーが誕生日であることをだれも知らず、プーとコブタは、取り急ぎプレゼントを用意します。プーははちみつを、コブタは風船を。どっちもたまたま家にあった「間に合わせ」の品です。
特筆すべきは、プーがプレゼントを思いついたとき、コブタが「それ、二人からってことにしない?」と頼み、プーが「それはあまりいい考えじゃないな」と丁重に断っている点です。
また、コブタが急いでプレゼントを届けようとするのは、「誕生日に気づいたのが、プーに言われたからではなくて、自分がまっさきに気付いたことにしたかったから」です。
もし、『クマのプーさん』を子ども向けのお話だとイメージしている人は、そのような大人も子どもも共通する心のかけひきに、新鮮な驚きを持たれると思います。
結局二人のプレゼントは、道中で「あーあ……」という「別のもの」に変わってしまいます。その気まずさを、贈る側と贈られる側の双方で解決するオチには、何度読んでも色あせない面白さを覚えます。(『クマのプーさん』の中で、もし一つだけ話を選ぶとしたら、私はこれを押します^^)
次はいつ読み返すのでしょうか。そのときが今からまた楽しみです。