山下です。
今の日本の諸問題を考える上で、西洋の古典の言葉はヒントになることが多いです。
Ipseは「彼自身が」、dixitは「言った」という意味で、彼とは文脈上「先生」を指します。キケローの言葉です。
「神々の本性について」の冒頭に出てくる表現です。
ちょうど、『論語』に頻出する「子曰わく」と意味的には近いので、両者を比較してエッセイを書きました。
個人的に、先日ニュースとして世界を駆け巡ったジェンダーをめぐる差別的発言の根っこには、Ipse dixit.の問題があると見ています。
むろん、学校教育、とりわけ言葉の教育の問題とも密に関係しています。
ちなみに、英単語にはipsedixitismという単語があるほど、キケローのこの言葉は有名です。