黒ねこサンゴロウシリーズ『最後の手紙』(竹下文子、偕成社)を読んでいます。
先週は6、7章、今週は8、9章を読みました。
サンゴロウは、過去の記憶を失っています。しかし「今のオレが、オレだ」と割り切っています。一方、記憶の箱の鍵を持つのは自分だと、うすうす感じています。いつかはその箱を開けなければならない時が来ることも。「その時、オレはオレでいられるのか?」と悩んでいます。
サンゴロウは、病床のカジキじいさんから、孫娘のミサキに船乗りとして仕込んでほしいと頼まれます。しかし責任が持てないからと断ります。カジキじいさんも「わかった」と深追いはしません。
ところが、今度はミサキ本人がサンゴロウに直談判します。祖父に頼んでほしいと言ったのも、自分なのだと。けれどもサンゴロウの返事は変わりません。
その後に起こった事件でした。ミサキの乗った練習用のヨットが転覆したのです。
ミサキを助けに、サンゴロウは船を出します。しかし霧が深くて危険です。
サンゴロウは、霧の中で、自分によく似た船乗りと出会います。その船乗りはミサキを助けておいてくれたのですが、「ただでは渡さない。おまえをよこせ」と言って、声なく笑います。
「おまえは、だれだ」とサンゴロウが問うと、船乗りは、「オレは、あんただよ」と、「もう一人の自分」を名乗ります。
このあと、サンゴロウの記憶喪失のひみつは明かされるのでしょうか……?
(次回、最終章を読みます!)