福西です。
紙芝居『あらしのうみのゆうれい』(小泉八雲/原作、諸橋精光/脚本・画、童心社)を読みました。
焼津の伝説に取材した、小泉八雲の『漂流』が原作です。五人の漁師が嵐に遭い、海に放り出されます。そのうちじんすけ一人だけが他の四人と離れ離れになります。じんすけは夜明けまで海を漂いますが、そこへ突然、仲間の漁師四人が白い姿で現れます。実はすでにこの四人は死んでいるのですが、じんすけがいよいよという時に叱咤し、眠気を払っておぼれないように見守ってくれます。じんすけは助かり、このことを感謝して、海でつかまっていた板切れを焼津の地蔵様に奉納します。
幽霊というと、恐ろしい存在には違いないのですが、生者を道ずれにしなかった点に、あわれみを覚えました。
そのあと、S君からリクエストがあり、持ってきてくれた『まんが日本昔話101』(川内彩友美/編、講談社)の中から、「節分の鬼」と「耳なし芳一」を読みました。前日が節分だったので、タイムリーな話ができました。耳なし芳一も紙芝居と小泉八雲つながりで、よく聞いてくれました。
次の俳句を紹介しました。
ゆびさして寒星ひとつづつ生かす 上田五千石
寒星は、歳時記では「かんせい」という読みで載っていますが、角川『俳句』(2019年12月号)によると、この句では「かんぼし」と読むそうです。
ちなみにこの日は立春。季語の世界では、ここから春になります。