福西です。本年もよろしくお願いいたします。
『クマのプーさん』(ミルン、石井桃子訳、岩波少年文庫)を読んでいます。
「6 イーヨーがお誕生日に、お祝いをふたつもらうお話」を音読しました。
大変面白い内容です。以前、受講生のT君が「クマのプーさんは新喜劇みたいだ」と言っていましたが、この章でもそれがうかがえます。イーヨーにとってある深刻な状態(問題発生)を、プーとコブタがなぐさめようとして失敗します。しかしその失敗が失敗ではなかった(問題解決ならぬ解決)という悲喜劇です。
内容は割愛しますが、プーはプーらしく、コブタはコブタらしく行動するところが失敗の原因であり、かつそれが憎めないという展開は、何度読んでも楽しいです。「読まないとプーたちが動き出さない」(読めば動き出す)ところに、アニメーションでは出せない味わいが、いつまでもテキストにこめられていると確信します。