西洋古典を読む(中高生)(2019/12/11)

福西です。

ウェルギリウス『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)を読んでいます。

12月の最後のクラスでは、第3巻の147-277行を読みました。

「より良き目標へ向かおう」

アンキーセスの言葉です。

直訳は、「よりよき方へ(meliora)我々は着いていこう(sequamur)」となります。

よりよい(melior:better)という単語が、『アエネーイス』には何回か登場します。

何かに向かって軌道修正する態度が求められることは、人間たちにだけでなく、女神ユーノーにも言えると思います。

1巻の281行目では「(ユーノーは)よりよい方へ考えを改めるだろう」(consilia in melius referet)と、彼女が(トロイア人ではなくなった)ローマ人を慈しむことが、ユピテルの口から予言されます。

そして、あとの437-8行目で、予言者ヘレーヌスからアエネーアスは次のような忠告を受けます。

「ユーノーの神意を敬え」(Iunonis prece numen)

「ユーノーに請願を唱えよ」(Iunoni cane vota)

と。

「ユーノー」と「よりよき」が出てきたら、その都度チェック・ポイントだと思います。