福西です。
ウェルギリウス『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)を読んでいます。
12月の最後のクラスでは、第3巻の147-277行を読みました。
「より良き目標へ向かおう」
アンキーセスの言葉です。
直訳は、「よりよき方へ(meliora)我々は着いていこう(sequamur)」となります。
よりよい(melior:better)という単語が、『アエネーイス』には何回か登場します。
何かに向かって軌道修正する態度が求められることは、人間たちにだけでなく、女神ユーノーにも言えると思います。
1巻の281行目では「(ユーノーは)よりよい方へ考えを改めるだろう」(consilia in melius referet)と、彼女が(トロイア人ではなくなった)ローマ人を慈しむことが、ユピテルの口から予言されます。
そして、あとの437-8行目で、予言者ヘレーヌスからアエネーアスは次のような忠告を受けます。
「ユーノーの神意を敬え」(Iunonis prece numen)
「ユーノーに請願を唱えよ」(Iunoni cane vota)
と。
「ユーノー」と「よりよき」が出てきたら、その都度チェック・ポイントだと思います。