岸本です。
今日で、現代世界の歴史も一区切りとなりました。
今回は、現代の問題の一つ、各地の地域紛争について、議論していきました。
前回までに、現代までの各地の歴史を概ね学び終えました。
残っていたアフリカの事例では、アパルトヘイトが南アフリカだけでなく、南ローデシア(現在のジンバブエ)でも問題があったことなどを議論しました。
少数派をないがしろにしてはいけませんが、少数派のみを優遇するのもまた問題となるのでした。
冷戦後、米ソを中心とした対立は一段落しました。
しかし、それによって各地で抑えられてきた民族や宗教の対立が顕在化したのです。
その例として、ヨーロッパのコソヴォ紛争、西アジアのクルド人問題、スリランカの内戦や、インドネシア内部での分離・独立運動などを、概観しました。
特に、アフリカでのソマリア、コンゴ、ルワンダの内戦は長期化し、難民問題や虐殺などの問題は深刻でした。
原因は様々ですが、犠牲になる人々がいたこと、今でも苦しんでいる人がいることは、忘れてはなりません。
また、アフリカで起きている内戦が、世界の経済に悪影響を与えていることを知れば、外国のことだといって無関心ではいられないでしょう。
こうした内戦では、国連が重要な役割を果たしましたが、ソマリア内戦では何もできずに撤退するなど、その活動には限界もありました。
国連を補佐する多国間の協力機構やNGOなどの存在は、それゆえに重要なのです。
生徒さんとは、地域紛争以外の現代問題についても議論しました。
その中で、今の日本の高齢化の問題が話題に上りました。
将来地球規模での高齢化時代が訪れることも視野に入れれば、この議論は日本だけでなく世界の問題でしょう。
日本における高齢化の対策が上手くゆき、それをきちんとした歴史として残すことが、世界の将来のためにもなるのです。
具体的な案を練るところまでは難しかったのですが、世界全体を一つとみなす考えが生徒さんにも定着しているのは、このクラスの成果だと思います。
西洋近代史から始まり、世界大戦を経て現代の世界の歴史を、約1年かけて概観してきました。
夏期講習で学んだ高校世界史の問題点も意識したため、批判的に歴史を学べたと思います。
来週からは、生徒さんとの要望もあった、イスラーム諸国家の歴史についてみていきます。