『西洋近代思想の古典を読むA』第4回(2019/10/17)

谷田です。第四回は『君主論』の第18~21章を読みました。章のタイトルは以下になります。

第18章 君主たるもの、どう信義を守るべきか

第19章 君主は軽蔑され憎まれるのを、どう避けるか

第20章 君主たちが日夜築く城塞や、その類のものは有益か、有害か

第21章 君主が衆望を集めるには、どのように振るまうべきか

今回は『君主論』のメインで、君主はライオンと狐から学び、力だけでなく、策略の罠から身を守らなければならないという有名な箇所があります。そして、国を維持するためには、信義を守らないことも肯定されます。ただし、君主は有徳である必要はないが、有徳であると見せかけることは必要であるといいます。

今回の議論の中で、統治のためにはどんな手段も正当化されるという専制的な支配の方法ではなく、時に残虐な行為や信義に反する行為を余儀なくされながらも、いかに民衆からの支持を獲得するかという、民衆心理への配慮、その制御の方法が中心に論じられているという意見が出ました。マキアヴェッリは民兵軍を奨励しますが、その戦力となる民衆を抑圧するのではなく、恐れられながらも愛される君主のイメージを作り出し、民衆の中に君主や国を守る意識を育てようとしているように思えます。