福西です。
『西遊記(下)』(渡辺仙州翻案、偕成社)の「二十 九頭虫」を読みました。
祭賽国(さいさいこく)の権威の象徴である宝珠が、万聖竜王によって盗まれました。ちょうどそこを訪れた三蔵一行が、盗みの濡れ衣を着せられた僧侶たちのために、事件解決を買って出ます。
竜王の娘の万聖公主は、機先を制して、悟空たちの毒殺を謀ります。ところがあやまって毒を飲んだのは万聖竜王。それを引き金に、悟空たちは竜宮で大暴れします。相手は公主の婿の九頭虫。九つの頭を持った怪鳥です。強敵ですが、白竜が助けに来てくれます。
白竜は公主のかつての許嫁だったという因縁があります。公主は、九頭虫が劣勢になるとそれを見限り、白竜を誘惑します。
「見て。きれいでしょう。どこの竜王も、こんな美しい家宝はもっていないわ。」
「そうだな。──だが、盗んだ宝珠を家宝にするとは、恥さらしもいいところだ。」
結局公主は九頭虫の攻撃が当たってしまい、死んでしまいます。それを白竜は悲しみます。最後に、天界から助っ人に来た二郎神が九頭虫を捕縛します。宝珠を取り戻し、事件は落着します。
今回はいつもより長い章でしたが、2回に分けて読み切りました。
残りの時間は、前回の「羅刹女」の要約をしました。